ハスカップってどんな植物?
ハスカップはこんな植物
「ハスカップ」とは、よく似ている2種類の植物をまとめた呼び方なんだ。
「クロミノウグイスカグラ」と「ケヨノミ」という植物をどちらも「ハスカップ」と呼んでいるよ。よく似ているけれど、生える場所や、葉や枝の毛が有るかないかなどが違いになっているよ。湿地に生えて毛がないのが「クロミノウグイスカグラ」で、山など高い場所に生えて毛があるのが「ケヨノミ」という風に分けているよ。
苫小牧では勇払原野やウトナイ湖のまわりにハスカップが生えているよ。昔はとてもたくさん生えていたけれど、今は数が減ってしまったんだ。寒い場所に生える植物なので、苫小牧以外にも北海道内や、ロシア、サハリンにも生えているよ。5月ごろに花を咲かせて、7月ごろになると実ができるんだ。
どうして「ハスカップ」と呼ばれるの?
ハスカップという名前はふしぎな響きだけれど、なんでこの名前で呼ばれているか知っているかな?これはアイヌの人たちの言葉からきたと言われているんだ。アイヌの人たちはこの植物の実を「ハシカプ」と呼んでいたんだ。これは「枝の上にたくさんなるもの」という意味なんだよ。この言葉が北海道にきた人たちに伝わって、「ハスカップ」という言葉になったと言われているよ。
他にもアイヌの言葉で「エヌミタンネ」と呼ばれていたという話もあるよ。この意味は「頭の長い粒」というもので、実の細長い種類のハスカップをこう呼んでいたようなんだ。ハスカップを「ゆのみ」と呼ぶのは、この「エヌミタンネ」がなまって変化したと考える人もいるよ。
ハスカップの料理とお菓子
ハスカップの実はそのままでも食べることができるけれど、甘さやすっぱさを活かして料理やお菓子にも使われてきたんだ。
よく食べられていたのはハスカップの実の漬物で、ハスカップの実を塩や砂糖に漬けたものが作られていたよ。
お菓子は甘いものやすっぱいものなど、たくさんの種類が作られているよ。ハスカップを使ったお菓子では、昭和の時代に作られたハスカップようかんがとても有名だったんだ。他にもジャムやキャラメル、ジュースやお酒の材料など色々な使われ方をされているんだ。
1933年に発売されたハスカップようかんの箱。とても人気があり、当時の天皇陛下にさしあげたこともあったんだよ。
画像引用「ゆうふるVol.5」一耕社2005
● 参考資料
「ハスカップとわたし」苫東環境コモンズ/編中西出版2019
「お宝!!ハスカップ」東胆振地域ブランド創造協議会/発行2017
「湿地への招待」北海道ラムサールネットワーク/編北海道新聞社2014
「APG原色牧野植物大図鑑II」牧野富太郎/著北隆館2013
「ゆうふるVol.5」一耕社/発行2005
「ハスカップ物語」奥津義弘/著苫小牧郷土文化研究会まめほん編集部1979