ハスカップと苫小牧
苫小牧市の花
苫小牧市では市のシンボルとして鳥・木・草の花・木の花・貝が決められているよ。そのうちの市の木の花はハスカップの花なんだ。
苫小牧市のキャラクターとまチョップの名前や見た目にもハスカップの実が使われてるよ。
三星とハスカップ
ハスカップという食べ物を北海道の外にも広めたのが、お菓子屋さんの三星なんだ。
苫小牧に昔からあるお菓子屋さんで、「よいとまけ」のようにハスカップを使ったお菓子をたくさん作っているよ。
代表的な「よいとまけ」はハスカップジャムを使ったお菓子で、1953年に発売されてから今もかわらずに愛されているよ。「よいとまけ」が発売されたころは現在のようにハスカップを育てる農家も少なかったので、三星の会社の人が野生のハスカップを取りに行ったり、町の人が取ったハスカップを買いとったりしてお菓子の材料を集めたんだって。
原野に生えているハスカップを集めるとお金になるということで、お小遣いを稼ぐためにハスカップを集めた小学生も多かったそうだよ。
ハスカップジャムを使ったお菓子のよいとまけ。ジャムでベタベタしてしまうので「日本一食べづらいお菓子」というあだ名もあるんだ。
昔、ハスカップを取りに行くときはこんな格好をしていたそうだよ。背中に石油カンをせおって、取ったハスカップを運んだんだ。
画像引用:「SmallTownTalkT.」
駅前通商店街振興組合青年部/発行1980
ハスカップを育てる
今のハスカップは農家で育てられたものがほとんどなんだ。野生に生えていたころに近い種類もあるし、品種改良をして甘さやすっぱさを整えた種類もあるよ。北海道の各地で育てられているけれど、特に厚真町はハスカップ農家がたくさんあるよ。
苫小牧市のハスカップは昔、勇払原野にたくさん生えていたけれど、土地の開発が進んだり工場が増えたりするうちに段々と減ってしまったんだ。1970年ごろに開発で減ってしまうハスカップを保護しようと、他の場所にハスカップの木を植え替えたことがあったんだ。苫小牧市内では高丘森林公園や、植え替えを希望した人の家などに植え替えられたよ。
勇払原野にもともと生えていたハスカップの原種は数が減ってしまったけれど、それを保存していこうという動きもあるよ。ハスカップの原種を安定して育てたり、増やしていけるように色々と育て方を試しているんだ。
ハスカップの原種は勇払原野に生えていたんだ。ここから色々な場所へ植え替えがおこなわれたんだよ。
画像引用:「とまこまいの植物」
中居正雄/著苫小牧民報社2000
●参考資料
「ハスカップとわたし」苫東環境コモンズ/編中西出版2019
「お宝!!ハスカップ」東胆振地域ブランド創造協議会/発行2017
「とまこまいの植物」中居正雄/編苫小牧民報社2000
「ハスカップ物語」奥津義弘/著苫小牧郷土文化研究会まめほん編集部1979